美しさ論 5

夏の思い出

3歳の娘とふたりで江ノ島水族館デート↓の写真。 カメさん見に行く!とスタスタとつき進む娘。 後ろからSPの様について行くパパ。

女の子はほんと どんどん大人になっていきますね〜

パパは娘のピンク色のリュック(大きめのクマのぬいぐるみのキーホルダー付き)を肩にかけ、そしてスマホで写真を撮りながら後を歩いており。

日差しがめちゃくちゃ強いのでキャップをかぶっていて そしてもうすぐ52歳で。

単独で歩いていたら割とやばい格好かもしれない

ふとそう思いながらも

まぁ いいかなー 姫はご満悦だし。と

院長の五来です。

しばらくブログなどをお休みしておりました。6月末に父が他界しまして。少し喪に服しておりました。

私は昔外科医(一般外科・消化器外科)だった時代があったのですが、その頃は特に、患者様の”お看取り”というものを数え切れないほど行ってきました。しかし恥ずかしながら、お看取りの後、病院を出た後のご遺族の様子というものは、あまり詳しくは知りませんでした。今回父の死を通して、初めてご遺族の”その後”を知ることになったのですが、その中で思いもよらず、自分が携わっている”美容医療”を思い起こさせる出来事を経験しました。

時を迎えて主治医の先生に看取って頂いた後、直後から葬儀屋さんの手配が始まります。長男である私は、携帯片手に連絡です。葬儀屋さんに無事に到着した後も、契約書を前に様々なことを相談していきます。葬儀の日程や棺はどの様なものにするか、お花はどれにするのかなどなど。子供達は夜中なのでかなり眠そうでしたが、いとこ同士で静かに遊んで待っていました。そして概要が決まったら、ではまた後日、再度詳細をご相談と。そんな一連のご相談の中で、私個人として一番印象に残ったことが、”エンバーミング”を勧められたことでした。

”エンバーミング”とは、日本語では遺体衛生保全と言い、簡単に言うとご遺体が痛まない様に様々な処理をすることです。保存というだけでなく、外観を生前の姿に近づけるべく、整えていくという目的もあります。例えば頬がやつれ過ぎていたら少しふっくらした状態に。しみや傷跡などあれば、それも目立たなくしてくださったり。唇の色調が悪ければほのかに色を足したり。

アメリカやカナダなど、割と普通に行われている国もあれば、日本の様にまだまだ浸透していない国もあり。父は最期、食事が摂れずに痩せてしまっていたので、顔を少しふっくらさせていただき、あとは自然な感じでお願いしますと言ってお願いしました。一旦葬儀会社から、専門の施設へ搬送され、生前の写真を参考にしながら処置を施していきます。そして1日後に戻ってきた、エンバーミングを行なってもらった父を見て、思わず感動してしまいました。とてもきれいだったんです。もちろん元気な頃の実際の父には及びませんが、それでも闘病して最期を迎えた頃のやつれた状態より、何だか違和感なく自然だなと思えたんです。

そして葬儀の当日には、遠方から来る久しぶりに会う親戚の前で、父も何だか胸をはって自分を見せることができているみたいで。変わり果てた姿を見せるのは、父も嫌がるかな?という思いでお願いしたエンバーミング。本当にお願いして良かったと、心から思いました。

自然に美しくあるということ。 このことが本人だけでなく、関わった周囲の人間にとっても、ささやかな小さな幸せをそこに生み出している様に思えました。

3歳の娘はまだあまり分かっておらず泣いてはいませんでしたが、棺の中の父の姿を見て、いつものおじいちゃんが眠った様にお空に行ったと、感じてくれたのではないでしょうか。

 

 

 

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