こんにちは。院長の五来です。
まぶたが下がって重たい、見づらくて困るというご相談をいただくことが多いのですが、眼瞼下垂症の手術が保険適応であること、ご存知でしょうか。
<まぶたを開く仕組みと眼瞼下垂症による症状>
まぶたの先端には瞼板という板状の軟骨組織があり、これを挙筋という筋肉が引き上げることでまぶたが開きます。この筋肉と軟骨をつなげているのが挙筋腱膜という膜で、だいたいの眼瞼下垂はこの膜が原因で発症します。加齢やコンタクレンズの長期連用による炎症、目を頻回に擦るなどの影響で、膜と軟骨の接着部がゆるんで、筋肉の力が伝わりづらくなります。伝わりづらくなると、筋肉が今まで以上に頑張るので、まぶたの上の部分がくぼんできます。さらに今度は眉毛からおでこにかけて存在する前頭筋という筋肉が、挙筋を助けようと頑張ります。この代償作用によって、よく物を見ようとすると、眉毛が上がり、おでこにシワが寄ることになります。
下の写真は90歳の女性です。数年前から両まぶたが下がり、物を見るのに大変苦労されていました。術前の写真は最大開瞼時の写真です。これ以上いくらがんばっても、まぶたが開かない状態でした。術後は楽にまぶたを開くことができるようになりました。明るくなったと喜んでおられます。
<手術の方法・術後>
手術は局所麻酔で1時間〜1時間30分程度です。まぶたの端から7mm前後の部分を切開します。皮膚が余っている場合は切除することもありますが、切除しすぎるとまぶたの上の方の厚い皮膚を縫い合わせることとなり、厚ぼったい目になってしまいますので、最低限の切除とします。ゆるんだ腱膜を一度瞼板から外して、しっかりと縫合固定します。翌日から傷を含めた洗顔・シャワー浴が可能です。1週間後に抜糸となります。2週間くらいは結構腫れますが、見た目以外では日常生活に支障はありません。
思い当たる症状のある方、いらっしゃいませんか?
通常の保険診療でご相談を承っております。カウンセリングのご予約は、お電話でお願い致します。
眼瞼下垂症手術(挙筋前転術):料金 両眼瞼で合計4〜5万円(3割負担の場合)
合併症:血腫、創感染など